

薬は基本的に日本で使用しているものを持ってくるほうがよい。花粉症などのアレルギーの薬も持ってくるほうがよい(特に点鼻薬)。ポーランドにきてから花粉症に悩む外国人が多いようである。一方、日本でぜんそくに悩む人々についてはポーランドでは症状がでないことが多い。
西側の薬も入手可能である。ポーランド製の薬は日本人の体質にはあわなく、飲用して胃を悪くしたという話も聞く。またポーランド製の薬は非ピリン系とピリン系の表示がないものが多いので注意が必要。参考までに、虫よけスプレー、電気蚊とり器は大型スーパー等で購入できる。


(Robert Barszczewski・医師 1994.07)
(1997.8.10, 2004.10更新)

ポーランドの健康保険は、国家予算から独立して運営されている。所得から引かれる保険料は、国民健康基金(Narodowy Fundusz Zdrowia: NFZ)に集中され、そこから国民健康基金と契約している病院に診療報酬が支払われる。国民健康基金は、各県に支部を持っている。各支部の自律性は高いが、基本的には集権型の組織である。被保険者およびその家族は、契約病院で医療サービスを受けると、すべて無料になる。正式に大学に籍を置く留学生も、これらの契約病院を使えば、医療費はすべて無料である。しかし、実際は様々な形で医者に謝礼を払う場合も多い(たとえば特別に西側の高い薬を使ってもらったり、行列をさけるために時間外診療をお願いするなど)。国民健康基金と契約をしていない病院で医療サービスを受けると、全額自己負担になる。




ポーランドの教育機関に通年生として在籍していれば、健康保険に任意で加入することができる。公立病院での診察が無料になる他、薬代の一部を国に負担してもらえる(指定薬局でのみ)。2003年8月現在、保険料は月額33ズウォティ44グロシュ。ただし、公立病院の医療サービスについては、いろいろと問題点も指摘されているので、あくまでも非常時の備えとして考えた方が良いと思われる。
手続きの流れ
(鈴木修・ワルシャワ大学経済学部)
(2003.09.06)

・ワルシャワ大学: ul. Krakowskie Przedmiescie 24/26 (Maly Dziedziniecから入る)>
ul. Zwirki i Wigury 95/97
ul. Smyczkowa 5/7
・ショパン音楽院: ul. Okolnik 2a
・工科大学: ul. Warynskiego 10a
ul. Narbutta 85
・経済大学: ul. Wisniowa 41
・農業大学: ul. Rakowiecka 26/30
・Przychodnia Specjalistyczna Nr 1
ul. Mochnackiego 10
・Przychodnia Specjalistyczna Nr 2
ul. Gornoslaska 14
(1997.8.10現在)

子どもが今まで受けた予防接種の種類と、接種年月日は控えておくほうがよい。
ポーランドは自然が多く残されており、子どもが土の上で遊ぶことも多い。よって気をつけなければならないのは破傷風である。過去に受けた破傷風の予防接種については効き目がきれていることがあるので、医師に確認した上で、日本で接種してきたほうがよい(特に小学校中・高学年の子供)。
(1997.8.10現在)

ポーランドの北東部国境近くでは、マダニ(2-4mm程度の大きさ)にかまれると、まれにライム病やダニ脳炎に感染する。この地域の森や湖に行くときは、肌をかくし、帽子もかぶるように心がけること。虫除けスプレーは効果があるといわれている。頻繁に森などに行く人は、まえもって予防接種をしておく方が安全である。
個人的経験であるが、娘(6歳)がマダニにかまれたときの話を参考までにあげておきたい(日本人がかまれる例も時々ある)。ベラルーシ国境のビャウォビェジャの自然保護地区とそこに生息するヨーロッパ・バイソンを見に行ったときの事である。長袖、長ズボン、帽子を着用し、虫除けスプレーをしっかり塗って、まさに完全防備で森林を歩き回わった。ペンションに戻ってからはしっかりシャワーをして、お互いの体に異常がないかを入念にチェックして就寝した。落とし穴はそこにあった。寝ているときにかまれたのある。朝方、娘が腕が痛いというので見てみると、腕の中に半分頭をつっこんだ全長4mm程度の虫がいる。払い落とそうとするがびくともしない。無理に引きはがすと、マダニの体半分が人間の体内に残って、病原体が流入し感染の可能性が高くなると聞いていたので、すぐにペンションのオーナーをたたき起こし、対処法を聞いた。すると、ピンセットを持ってきてウォッカをたらしながら、マダニを引き抜き始めた。マダニは一気に体内に入り始め、おしりのわずかな部分と一番後ろの足を残してばたばたさせながらもがいている。ピンセットでつまみ、ゆっくりと回しながら引き抜こうとするが、すでにマダニがセメントの様な接着剤の働きを持った物質を出して鈎状の口を皮下に固定していて、容易に抜けない。15分ほどの悪戦苦闘の末、ようやく引き抜くことに成功した。取り去ったマダニは、後で治療するとき、マダニの種類を特定(同定)するのに重要なので、ティッシュにつつんで持ち帰った。マダニは、放っておけば皮下に住みついて、数日間血を吸い続けて肥大化するらしい。現地で聞いたところ、マダニはいつも森の奥に潜んでいるわけではなく、町のレストランなどにも出現する。マダニにかまれたら、一番良いのはすぐに病院に駆け込むことだが、森の中の村では「マダニぐらい」で病院に行く人はいないらしい。「この前も娘がかまれて帰ってきたよ」と涼しげな顔である。「すぐにワルシャワに帰る」と言ったら驚かれてしまった。ライム病やダニ脳炎について話すと「神話だよ」と一蹴されたが、現実に毎年発症者がでているので、急いでワルシャワに帰り、専門医の診断を受けた。結局問題はなかったが、数週間様子を見て、微熱が出たり、かまれた部分を中心に肌が赤くなってきたら、ライム病感染の可能性があるので抗生物質の投与が必要になるとのことだった。こうして、世界遺産になっているビャウォビェジャの自然保護地区は見学できたが(世界遺産の項参照)、翌日の「幻のヨーロッパ・バイソン」見学は、まさに「幻」に終わった。
*この話は、万一マダニにかまれたときにあわてないための経験談として紹介するものです。念のために、ポーランドの森に入れば誰でもマダニにかまれるわけではないことを付け加えておきます。きわめてまれな例ではありますが、用心は怠らないようにして下さい。虫除けスプレーで基本的には対処できます。なお、ポーランドには美しい森がたくさんあります。ポーランドの森で大自然の神秘さ、森の恵みの豊かさ、季節の移り変わりの美しさにふれることは、ポーランド滞在におけるかけがえのない体験の一つです。
(2004.10.04 田口雅弘)



