復活祭



Photo: Rie Hiraiwa (c)

 ポーランドの祝祭日は、独立記念日や、憲法記念日という国家の祝祭日の他、1993年の政教条約(コンコルダート)で定められたキリスト教の祝祭日がある。政教条約とは宗教組織や宗教教育に関してポーランド政府とバチカンが結んだ条約である。ポーランドの祝祭日は一年を通じてカトリック色が強いが、人々はそれぞれの祝祭日の訪れと共に季節の移り変わりを感じるのである。復活祭(Wielkanoc)は、こうした祝祭日の中でもクリスマスと並んで重要なキリスト教の祭日である。

 復活祭は、十字架にかけられ亡くなって墓に葬られたキリストが3日目に復活するのを祝う祭日である。復活祭は日曜日に祝われるため、年によって日にちが移動する。この日付は、春分の後の最初の満月の日の次の日曜日(ただし時差の関係で春分の日が場所によって異なるため3月21日に固定して計算)と決められている。祝い方は国によって異なるが、ポーランドでは「復活祭(復活の主日)」、「復活祭の月曜日」が国民の祝日である。復活祭の前に約46日間の「四旬節」があり、キリストを復活をふさわしく迎える準備をする。また復活前の1週間は聖週間と呼ばれ、様々な行事が行われる。ポーランドで特徴的なのは、「脂の木曜日」にポンチキ(ポーランド風ドーナツ)やファボルキを食べる、ゆで卵に綺麗な模様をつける行事が盛んである、卵料理などの復活祭の伝統料理が食卓に並ぶ、復活祭の翌日に誰にでも水をかける習慣がある、等である。





祝祭日等の名称日程内 容
脂の木曜日二月中旬のカーニバル最後の日この日にポンチキというポーランド風ドーナツを食べる習慣がある。この後四旬節に入り、食事が制限され静かにすごさなくてはならないので、にぎやかにたっぷり食事ができるのもこの日が最後。ポ語: Tlusty Czwartek
四旬節灰の水曜日から主の晩餐(最後の晩餐)の夕べのミサの前までの46日間 キリストの復活をふさわしく迎えられるよう、受難と死を黙想し、犠牲・罪の償い・回心に励むための期間。キリストが40日間荒野で断食をしたことにちなみ、人々は食事のとき肉やアルコールを控え、パーティなどにぎやかな催しも控える。日曜日は「復活記念日」として40日間に含まれず平日のみで計算されるため、実際には46日間。 ポ語: Wielki Post
灰の水曜日四旬節最初の日この日、人生や死について考え、痛悔、回心がもっとも必要であると思い起こす。額や体に灰を受けるのは、人間は神によって創られた塵にすぎないことを自覚させ、謙虚に生きることを教えるため。また、大斎、小斎(償いのため食事制限をする)を守る日とされている。ポ語: Sroda Popielcowa
聖週間 復活祭までの1週間キリストがロバに乗ってエルサレムに入城した日からの受難の1週間。ポ語: Wielki Tydzien
棕櫚の主日(受難の主日) 復活祭の1週間前の日曜日キリストがロバに乗ってエルサレムに入城したことを記念。入城の際、民衆が枝(ヨハネ伝では「なつめやし」)を手に持って喜び迎えたことに由来。この日は棕櫚(しゅろ)を教会に持ちこみ聖水で浄めてもらう。普通のものは20センチ程度の長さだが、国内各地で棕櫚の長さを競い合う習慣がある。棕櫚(ポ語:palma)とは猫柳などの枝を組み合わせ、ドライフラワー他、諸々のアクセサリーで飾りつけた物だが、長いものは十数メートルの物もある。またこの日、キリストの受難に対して悲しみを表わし、教会、礼拝堂内の十字架、聖画、ご像を紫の布で覆う。「枝の主日」とも呼ばれる。ポ語: Niedziela Palmowa
聖木曜日(最後の晩餐) 復活祭の前の木曜日キリストが十字架でなくなる前の晩、弟子達と最後の食事を行った日。日没以降に主の晩餐のミサが行われる。ヨハネ伝13.1-20のイエスが弟子の足を洗う記事にちなんで「洗足の木曜日」とも呼ばれる。ポ語: Wielki Czwartek
聖金曜日(主の受難) 復活祭の前の金曜日キリストが死刑の宣告を受け、ゴルゴダの丘で十字架にはりつけられて亡くなった日。この日はミサはないが、聖体拝領などが行われる。ポ語: Wielki Piatek
聖土曜日復活祭の前の土曜日亡くなったキリストを墓に葬った日。ミサは行われない。日没後、復活の主日を迎えるための復活徹夜祭が行われる。人々は、模様を描いたゆで卵(ポ語:pisanka)やパン、ソーセージを入れた手提げカゴを教会で聖水をかけて清めてもらい、柳の枝とともに家に飾る。ポ語: Wielka Sobota
復活祭(「復活の主日」) 春分の後の最初の満月の日の次の日曜日キリストの復活を祝い、この日各家庭で10-12時頃に始まる朝食のテーブルには、久しぶりに豪華なごちそうが並べられる。長い禁欲期間が解け、肉類が食べ放題になる。親戚一同が集まり、食前の祈りの後、互いにゆで卵を分け合い復活祭を祝う。この「復活の主日」には全てが新たにされるため、その日に地上にある全ての水も聖水として大切にされる。ポ語: Wielkanoc(=大きな夜)
復活祭の月曜日復活祭の翌日(休日) この日は、聖水がいろいろなものにかけられるのだが、誰にでも("smigus-dyngus"と言いながら)水をかけてもいい習慣になっていているため、男性が好きな女性にかけたり、子供同士がふざけて通行人にかけたりする光景があちこちで見られる。ポ語: Lany Poniedzialek
復活節復活祭から50日間弟子達が祈っているときに聖霊が弟子達に下ったことを祝う聖霊降臨祭までの50日間。


参考文献:



ポーランドへの航空便等による復活祭メールの差出し



 航空便による復活祭メールを復活祭までに配達されるよう差し出すには、最低10日以上前に出すこと。

 郵便物の表面に「Easter's Greeting」などの文字を記載することにより、25グラムまでは密封して、「グリーティングカード」料金で出せる。料金は110円。

復活祭カードの例文



(文法解説) 動詞「przesyla」(男性も女性も同じ)は対格をとるが、動詞「zyczy」は生格をとる。したがって、「zyczy」の場合「Pogodnych Swiat Wielkanocnych」、「Wesolego Alleluja」と本文が生格になるわけである。差出人が夫婦、家族の場合はそれそれそれぞれ「przesylaja」、「zycza」と動詞が複数形になる。「Swieta Wielkanocne」(復活祭−swietaが複数形であることに注意)は固有名詞なので頭を大文字で。