トヨタ、ポーランドでのトランスミッション工場建設正式発表






話題の「ヤリス(Yaris)」=日本名「ヴィッツ(Vitz)」


 1999年9月10日、トヨタ自動車はポーランドにトランスミッション(変速機)の生産会社を設立すると正式に発表した。この日、トヨタ自動車はポーランド政府と合意に達し、ワルシャワの首相府でブゼック首相とトヨタの張富士夫社長が記者会見して発表した。日本の自動車メーカーの投資ではいすゞに続いて2番目。予定では、3億5000万ズウォティ(約100億円)を投じてポーランド南部の経済特別指定地区ヴァウブジフ(Walbrzych)に、排気量1300-1500、1500-1800CCエンジン向けのマニュアル・トランスミッション工場を建設し(年産能力25万基)、イギリス、フランスの乗用車工場と、トルコの乗用車工場に送って、「カローラ」、「アべンシス」、「ヤリス」(2001年からフランスで生産)などに使う。これまではトランスミッションは日本から輸出されていた。稼働開始は2002年初頭の予定。部品の現地調達率は6割を達成する。雇用数は約300人。トヨタ自動車にとっては初の東欧生産拠点となる。トヨタ自動車はまた、同日付けで新会社「トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ポーランド(TMMP)」を設立すると発表した。

 なお、トヨタはヴァウブジフ経済特別指定地区において、10年間法人税が免除され、固定資産税は永久に免除されるという特典をうける。この経済特別指定地区の優遇措置については、経済特別指定地区の優遇措置は不公正な競争につながるとしてEUからポーランドに対する廃止への圧力が高まっており、近く撤廃される予定。それまでに契約を交わした企業には、契約時の条件が今後に渡って継続される。


参考(新聞報道): 

 「ヴァウブジフのトランスミッション すべては輸出に (...)トヨタ自動車社長は、『当初ポーランドに小型車「ヤリス」を生産する欧州第2のトヨタ工場を建設することを予定していた。しかしながらフランス南部を選んだ。なぜなら、そこからの方が欧州南部市場に輸出しやすいからである。』と説明した。(...)社長は、ポーランドの評価が高かったことがわが国(ポーランド)でトランスミッション工場を稼動させる決断を促した、と強調した。(...)」(Rzeczpospolita 1999.09.11-12号)

 「トヨタのトランスミッション工場 わが国で、日本最大の自動車メーカーで「桜の花咲く国」の経済のシンボルでもあるトヨタがトランスミッション工場を建設する。政府代表らは、この投資が日本から他の企業をわが国に誘致するものと期待している。(...)経済特別指定地区に投資することにより、トヨタは今後10年間に渡って所得税が免除される。政府は6月に経済特別指定地区の範囲を変更したが、これはトヨタが選んだ敷地をカバーするためであった。トヨタにはまた、従業員トレーニングのための補助金が支給される。『これは大きな金額ではない。しかし日本人にとって、行政側にこの投資に関心をもっているという態度を示してもらうことが大事であった。』とスタインホフ大臣は説明した。(...)」(Gazeta Wyborcza 1999.09.11-12号)

 「トヨタの投資はポーランド経済を証明する ヴァウブジフに日本人 (...)『この様に重要な投資の場所にポーランドを選んだことは、ポーランド経済の力と魅力を証明している。これによってさらに多くの日本企業がポーランドに投資するものと期待する』とイェジィ・ブゼクは語った。(...)会社首脳陣は、この自動車にとって重要な部分の生産をどこで行うか、すでに1997年から検討していたことを明らかにした。ポーランドを選択したのは、わが国の経済発展の更なる展望、その欧州での地位強化、労働力の高い熟練度、等であった。(...)」(Zycie Warszawy 1999.09.11-12号)

 「ヴァウブジフのトヨタ工場はポーランドの貿易収支を改善する方法 日本の投資の時がきた トヨタは3億5000万ズウォティを投じてヴァウブジフのトランスミッション工場を建設する。これは、他の日本企業にとって、ポーランドに安心して資本を投下できるというシグナルになるかもしれない。現在のところ、日本人は外国投資家の間では第17位となっている。(...)『トヨタの投資は、自動車部門で25億ズウォティに上ると見られるポーランドの貿易収支の赤字を削減してくれるだろう』とユゼフ・スタインホフは語った。『今のところポーランドで活動する企業の中ではフィアットだけが赤字を埋めてくれている。自動車部門の引き続く投資で、数年後にはこの部門で輸出が輸入を上回ることを期待したい。』」(Zycie 1999.09.11-12号)

 「トヨタがポーランドに3億5000万ズウォティ投資 ヴァウブジフのトランスミッション (...)例えば自動車工場建設などの、ポーランドに対する引き続く投資は計画されているかとの(社長への)質問には、2005年までにはそのような計画はないと答えた。」(Trybuna 1999.09.11-12号)

(1999.09.11)




ポーランドでも人気の「カローラ(Corolla)」)



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