ポーランド人孤児最後の生存者リロさん死亡
約80年前、ロシアから日本赤十字によって救出されポーランドへ帰国した「シベリア孤児」765人の最後の生存者アントニーナ・リロさんが、2006年7月にワルシャワで死去した。享年90歳。
日露戦争後、シベリアで窮乏生活を余儀なくされていたポーランド人たちは、ロシアの内戦の泥沼化によって更なる飢えと寒さに苦しんでいた。そこで日赤が救援の手をさしのべ、1920年と1922年の2回にわたりポーランド人孤児を日本に船で移送し、手厚い保護の後、祖国へ送り返してあげた。「シベリア孤児」たちは、こうした日本の対応を忘れず、1995ー96年と2005年、阪神淡路大震災孤児たちがポーランドに招待された際、孤児たちを励ました。2002年7月に天皇皇后両陛下がポーランドを訪問されたときには、両陛下に謁見しお礼を述べた。2003年12月23日には、フジテレビ系で関西テレビ開局45周年記念ドラマ「ワルシャワの秋」(「シベリア孤児」達を救うために尽力した看護婦の生涯を描いたドラマ)でこの歴史がドラマ化され放映されている。
<参考文献>
- 松本照男「ポーランドのシベリア孤児たち」、『ポロニカ』、恒文社、1994年、No.5、pp.62-81。
- 手島悠介(文)・吉田純(絵)『日本のみなさんやさしさをありがとう 救出された765人の孤児』、 講談社、2000年、1400円。(ISBN4-06-210256-0)
- 『ワルシャワの秋』、出演:竹内結子, 坂口憲二, 吹越満、Color、Dolby、販売元: ビデオメーカー、2006年、時間: 100分、3120円。
(2006.07.18)
