ポーランド外国投資公社(PAIZ)

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特別経済指定地区


 ポーランドでは、特別経済指定地区(SSE)への外国企業誘致に力を入れている。
 1994年に制定された特別経済指定地区に関する法律に基づき、現在ミェレッツ、カトヴィツェ、スヴァウキの3カ所に特別経済指定地区が設立され、さらに、1997年5月には、ウッジ、レグニッツァ、ヴァウブジフが新たに指定を受けた。特別経済指定地区は各地方自治体の申請によって設立される。特別経済指定地区では、用地、施設、電気・ガス・水道、輸送などのインフラを整備するほか、様々な課税減免措置を用意して企業の誘致を図っている。ポーランドの特別経済指定地区は、優遇措置の面でヨーロッパで最も進んでいるといえる。

 ポーランド初の特別経済指定地区は、1995年9月にミェレッツ(Mielec)に設立されたEURO-PARKである。ミェレッツはポーランドの南東部に位置し、チェコ、スロヴァキア、ウクライナとの国境にも近い。ここは第二次世界大戦以前、鉄鋼、重化学工業、軍事産業を中心としたポーランド最大の産業コンプレックス、中央工業地帯(COP)が栄えていた地域で、機械産業や航空機産業の伝統がある。国内、周辺各国への鉄道・道路網によるアクセスが良く、2,500m級の空港も整備されている。 ここでは、総額200万ECU以上投資したすべての投資企業に対して法人税が10年間全額免除され、11年目からも指定期間(20年間)終了まで50%免除される。また、新規雇用創出に対しても、法人税の軽減措置がある。
 ミェレッツ特別経済指定地区は、産業開発公社(ARP)の協力で環境整備を進めている。産業開発公社は、国営企業の民営化、企業のリストラ、事業計画策定、などをサポートする国庫所有の株式会社で、特別経済指定地区の発展に大きく寄与している。

   1996年7月、カトヴィツェに第2番目の特別経済指定地区が誕生した。カトヴィツェはポーランド西南部に位置し、豊富な石炭などの地下資源を基礎に鉄鋼業をはじめとする重化学工業、機械工業を発達させてきた。カトヴィツェ近辺のソスノヴィエッツまでは、ヨーロッパでも数少ない、ロシアからの広軌鉄道がダイレクトに敷かれているので、西欧ばかりでなく、旧ソ連市場へのアクセスも良い。また、雇用の確保も容易である。ここでも、投資総額200万ECU以上の企業に対して、法人税が10年間全額免除、11年目から指定期間(20年間)終了まで50%免除、などの優遇措置が用意されており、すでに日本の企業を含む西側のいくつかの企業が進出を決定している。カトヴィツェ側が期待する投資分野は、自動車生産、食品生産、建設材(窯業製品、コンクリート、セメント、石膏等)、金属製建材・構造物部品、コンピュータをはじめとするOA機器・事務機器、電気制御装置、電子部品、医療・光学精密機器、廃棄物リサイクル設備、等である。なお、メンテナンス・修理、貿易、自動車整備、輸送・運搬、倉庫業、金融サービス、不動産業、保険・医療(ヘルスケア)の分野は税減免の対象外となっている。また、酒類・たばこ生産、爆薬・兵器・核物質生産、賭博営業のこの地区での活動は許可されない。

 スヴァウキ特別経済指定地区は、1996年9月に設立された。スヴァウキはポーランド北東部に位置し、リトアニア、ベラルーシ、ロシア(ケーニヒスベルク)に隣接している。ここでは、投資総額35万ECU以上の企業に対して、法人税が10年間全額免除される。ここには、自動車部品、食品加工、建材、ヒートポンプ、農薬などの分野の中堅企業数十社がすでに進出している。

 1997年度に新たに特別経済指定地区指定されたレグニッツァは、銅山、銅精錬コンビナートが中心になっている。
 法人税が免除される投資最低額は、レグニッツァが85万ECU、ウッジが200万ECU、ヴァウブジフが50万ECUである。

 このほか、バルト海への窓口グダンスクに近いジャルノヴィエッツ、チチェフ、スウプスク、ドイツ国境に隣接するコスチシン、スウビツェ、北東部のオルシティン、トラック工場で有名なスタラホヴィツェ、戦前に中央工業地帯のあったタルノブジェグ、南部のチェンストホヴァ、西部のカミエンナ グラ、な0どが、特別経済指定地区の申請をしている。また、センジミル製鉄所(旧レーニン製鉄所)を中心としたクラクフ、ワルシャワ北部のモドリンもハイテク工業専門特別指定地区として申請をしている。

 なお、ポーランド政府が特に外国投資に期待するプライオリティ分野は、発電、電気産業、電気通信産業、高速道路建設、食品加工業、石炭産業リストラなどである。

(田口雅弘)






追記: (1998.10.27)

 現在、17の特別経済指定地区が存在する。最も外国企業の進出が活発なのは、カトヴィツェ(General Motors, Isuzu, Delphi Automotive Systems)、レグニツァ(Volkswagen − プラント2件)、クラクフ(Motorola)である。

 詳しくは、「ポーランド特別経済指定地区比較表」参照。








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