ポーランド外国投資公社(PAIZ)

これは田口研究室が管理するPAIZ紹介のページです


投資環境


 ポーランドへの外国直接投資は、1997年6月末でディスバースメント・ベースで139.6億ドル(1件につき100万ドル以上の投資)、コミットメント・ベースで約91.67億ドルに達し、また投資額が100万ドルを超える外国投資企業数は535社(30カ国)に達した。ポーランドの経済回復に伴って、この規模は年々加速的に増加している。
 
 近年ポーランドへの直接投資が増加している背景には、次の要因がある。

 経済成長率の高さ: 国内総生産(GDP)成長率は、1994年−5.0%、1995年−7.0%、1996年−6%を達成している。ポーランド経済は成長めざましく、活気にあふれている。

 地理的利点: ヨーロッパの中心に位置し、ベルリンから汽車で1時間でポーランド国境に達する。EU市場、ロシア市場双方へのアクセスが良く、ヨーロッパ東西交易との中継点としての伝統がよみがえりつつある。また、バルト海に面する3つの良港(グダンスク、グディニャ、シュチェチン)を抱え、特にグダンスクはハンザ同盟の都市として古くから栄えており、環バルト海経済圏の中でも中心的な位置を占めている。
 市場の大きさと高い購買力: 4000万人近くの人口を抱え、西側の生活水準に一気に追いつこうとする国民の購買欲も高い。さらに、中欧自由貿易協定(CEFTA)加盟諸国も含めて考えると、中欧には大きな有望市場が存在するといえる。

経済の安定: 体制転換以降、通貨は安定している。またインフレも収束に向かいつつある。加えて、財政赤字縮小、累積債務削減など安定要因が増加した。

インフラ整備: 現在、東西・南北を結ぶハイウェイの建設など鉄道・道路網が急ピッチで整備されている。ポーランドのカトヴィツェ、ソクウキ、エルブロング近郊へはロシア規格の広軌鉄道が直結しており、旧ソ連地域との貿易にとって大きなメリットとなっている。また、特別経済指定地区も年間3カ所のペースで準備さえており、投資環境は整いつつある。通信網の整備も着々と進められている。

政治的安定: 経済成長とともに国民の不満も和らぎ、政界は落ち着きを取り戻した。経済が成長したことによって、現在の経済政策は有効と実証されたため、将来にわたってこの政策が基本的に維持されて行くであろう。また、NATO加盟が認められたことは、国際社会におけるポーランドの地位を安定的なものにするであろう。

EU正式加盟: ポーランドは、2002年の正式加盟を目指して法・組織整備を急ピッチに進めている。豊富で安い労働力を擁するポーランドは、EU市場を目指す企業にとって有力な戦略拠点となるであろう。

法整備: 1997年5月に新憲法が国民投票で採択され、民主国家としての基礎がさらに固まった。また、すべての経済法は基本的にEUスタンダードを目指しており、投資家が特殊な手続きにとまどうこともなくなりつつある。

豊富で優秀な人材: ポーランドに投資した外国企業の6割が、「労働力コストの安さ」を、また4割以上が「豊富な労働力供給」をポーランド進出の理由に挙げている。教育水準も高く、豊富で質の良い労働力が確保できる。

外国資本に対する社会の好意的反応: 最近の世論調査によると、外国資本に対する国民感情はおおむね好意的で、8割近くの国民が外国企業の進出を待ち望んでいる。特に日本からの投資に対するポーランド国民の期待は高く、対日期待度はトップクラスである。外国資本の進出に「反対」(3.5%)と答えた人の多くは、戦前の外国資本による基幹産業掌握という過去が脳裏に焼き付いており、外国資本への警戒心がぬぐいされないためと推察される。

 ポーランドでは、外国投資家が特別の規制を受けることはない。原則的に国内投資家と同等の扱いを受ける。不動産やワルシャワ証券取引所に上場されている証券の購入も可能である。利益、配当金の本国送金にも規制はない。また、投下資本の全面的引き上げの権利もある。二国間条約に基づき、投資は保護され、二重課税も回避される。現物出資の場合は免税措置もある。資産の没収・収奪防止も保証されている。
 特別経済指定地区では、法人税が10年間減免されるなどの優遇措置が受けられる。また、構造的失業地域に対する投資、医薬品・医療機器生産、農産物加工、漁業、観光、水上輸送、建設、建設資材生産などには、法人税軽減、加速減価償却制度、赤字繰越制度など様々な優遇制度が準備されている。ポーランドの特別経済指定地区の優遇措置は、欧州で最も有利な条件を外国投資家に保証している。
 

(田口雅弘)





ポーランドへの投資を決めた要因

重要(%) 重要でない(%)
60.8 労働力コスト10.8
49.1 市場の大きさ19.4
48.7 経済成長の展望14.9
44.4 労働力供給17.3
37.2 コスト削減26.7
36.1 所有権の保証30.0
29.0 安定した法律31.0
28.6 良好な事業環境26.5
26.8 価格水準26.8
26.2 利益が本国送金できること29.3
25.7 土地・建物が購入できること36.6
20.0 投下資本を撤退できること37.0
19.9 原材料入手が容易42.1
17.7 効率的銀行システム42.9
17.6 ポーランドと他の諸国との貿易協定の存在49.2
15.4 ポーランドのEU加盟のチャンス45.2
14.8 インフレ率45.4
11.5 融資が受けられる53.4
11.3 エネルギー供給51.4
11.2 輸送インフラ46.8
5.9 一人当たり国内総生産(GDP)56.1
2.5 国際収支63.7

注: マーケット調査センターが1995年10月、ポーランドの外資系企業、合弁企業864社のトップを対象に行った面接アンケート調査結果。











データ加工: 梅田芳穂、横田武重 (1999.01.31)








PAIZ案内へ行く