ポーランド外国投資公社(PAIZ)
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法整備
ポーランドは、1989年に発表された政府経済プログラム(いわゆる「バルツェロヴィチ・プログラム」)に基づき、一貫して中央管理撤廃、経済市場化、価格自由化、国営企業民営化、独占解体、競争原理導入、貿易自由化、各種規制撤廃、補助金廃止、資本・金融市場の整備等々を行ってきた。また同時に、こうした市場化・自由化政策の基礎となる法整備を推進してきた。その結果、新しい社会の骨格をなす法体系は、ほぼ完成したといえる。当面の最大の課題は、欧州連合(EU)への正式加盟である。したがって、法制面でも基本的にはEUスタンダード化が中期的な課題となっている。
一方で、こうした法制化の大きな流れの中で、ポーランドの独自の文化、歴史、伝統、価値観を法体系の中にどう織り込んでいくかにも多大な労力が払われている。そうした「ポーランド法の国際標準化」と「民族の伝統的価値観」のバランスを見事に調和させたのが、1997年に制定されたポーランドの新憲法である。
この憲法は、民主主義を重視し、大統領の権限をこれまでより制限している。また、憲法裁判所への個人の提訴や、国民による法案提出などを認めるなど、きわめて民主的な憲法となっている。他方、「自由」、「公正」といった普遍的価値観と並んで、「社会との対話を基本とした国家」(憲法前文)や、「連帯・対話・協力」を重視した「社会的市場経済」という独自の理念を掲げている(第20条)。
ポーランドでは、自由な経済活動が保証され、一方で不当競争や独占的行為が法律によって防止されている。所有権は憲法、民法、商法等によって完全に保護されている。また、知的所有権、商標権、著作権、特許権等も、種々の法律によって保護されている。
会社設立: ポーランド国内における外国人の経済活動に対する規制は、現在大幅に緩和されている。原則的に、外国人投資家は国内投資家と同等の扱いを受ける。外国人投資家は次の形態でポーランド国内において経済活動を行うことができる。
・駐在員事務所または支店の開設
・有限会社、または株式会社の設立
・合弁会社の設立
・ポーランド企業の株式取得
ポーランドで有限会社を設立する場合の最低資本金は4,000ズウォティ(約1,300ドル)で、登記に際しては全額払い込まれなければならない。。株式会社を設立する場合の最低資本金は100,000ズウォティ(約30,000ドル)で、うち最低25%は登記に際して払い込まれなければならない。また、外国の銀行が支店を開設する場合の最低資本金は、最低600万ドルである。
通常、会社を設立するために許可を得る必要はない。ただし、銀行駐在事務所、あるいは代表事務所開設にはポーランド国立銀行の許可が、またその他の代表事務所の開設には各統括省庁の許可が必要である。さらに、法律相談サービス、不動産取引ならびにその仲介、輸入消費財の卸売業、防衛産業、港湾・空港の営業への外国資本参入は許可制となっている。利益の外国送金に制限はない。
不動産取得: ポーランド国内で設立された企業は、自由に土地を購入することができる。ただし、市街地で0.4ヘクタールを越える場合、および市外地で1ヘクタールを越える場合は許可が必要である。外国人はマンションやアパートのフラットを自由に取得することができる。ただし、独立した家を購入する際は、内務行政省の許可が必要である。また、ポーランドに5年以上居住する外国人は、自由に不動産を購入できる。
税制: ポーランドは現在、「パッケージ2000」と呼ばれる2000年までの大幅で体系的な税制改革を進めている。この一環として、1998年には個人所得税の累進税率が現行の20%、32%、44%から、19%、30%、40%に引き下げられる。法人税は、1997年から一律40%だった税率が毎年2%ずつ引き下げられ、2000年には32%になる。1996年までは国境税と呼ばれる税が存在していたが、これはすでに廃止されている。このように、種々の課税は漸次軽減される予定である。
なお、付加価値税(VAT)は物品・サービスにより税率が異なり、現在22%、7%、0%の3段階の税率が適用されている。1年間の取引額が80,000ズウォティを越える会社または個人は、付加価値税納税者登録を行わなければならない。
(田口雅弘)
追記: 1998年年時点で個人所得税の累進税率は、19%、30%、40%。法人税は、36%。1999年1月1日からは32%に引き下げられる。(1998.10.27)
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