ポーランド外国投資公社(PAIZ)
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農業
ポーランドの国土の約60%は農地で、国民の40%は農村に住んでいる。また、労働人口の約30%が農業および食品加工産業に従事しており、農業・食品加工産業はポーランドにとって重要な経済部門となっている。
国内総生産(GDP)に占める農産物の割合は6.2%、食品加工生産物は5.0%で、あわせて全体の約11%を占めている(1995年)。また、農産物、食品加工生産物の輸出に占める割合は、それぞれ2.5%、8.5%となっており、これらの50%以上がEU市場向けである。農産物・食品加工生産物貿易は、最近では黒字基調が定着している。
ポーランドの主要な農産物輸出品は、食肉・肉加工品、果物(いちご、ラズベリー、くろすぐり、リンゴ等)・果物加工品、牛乳・乳製品、野菜などである。また、主要な農産物輸入品は、コーヒー、果物(バナナ等)、油粕、植物油、たばこ、紅茶などである。
第二次世界大戦終結後、支持基盤の脆弱な政府(共産党政権)は、当時人口の圧倒的部分を占めていた農民の支持を獲得するため農業集団化を強行できず、結果的に農地の9割以上が個人農の手に残った。農業の国有化・協同組合化が進んだのは、主に戦後の国境変更によって割譲された西部地域と北東地域である。その後、政府は農業の集団化を試みるが失敗に終わり、ポーランドでは個人農中心の農業構造が定着した。
しかし、政府が集団化されていない個人農の経営を積極的に支援しなかったため、農業の近代化はなかなか進まなかった。一方、国営農場(PGR)の生産効率は個人農のそれより劣っており、農業生産は伸び悩んだ。1970年代中葉、ポーランドは農産物の輸出国から輸入国に転落し、1980年代初頭には深刻な食糧危機に瀕した。しかし、体制転換以降は農業構造改革が進み、食糧自給体制がほぼ確立された。同時に、ポーランドの農産物・食品加工生産物は、再び重要な輸出産品になりつつある。
現在は、農業のリストラが進みつつあり、多くの地域で経営力のある中農が誕生した。国営農場の清算も進みつつあるが、旧国営農場を多く抱えた地域での失業問題はいまだ深刻である。他方、食品加工産業への投資は次第に増えており、この部門の発展が期待されている。ポーランドにおける外国投資の約5分の1は、食品加工産業関連の投資である。
ポーランドの農産物がEU市場をはじめとする世界市場で競争力を持つ理由は、高い品質(食肉・肉加工品、園芸作物など)、食品の安全性(農薬・化学肥料を多用しない)などが評価されているからである。また、安い労働力による低コスト生産、EU市場へのアクセスの良さも、ポーランドの農産物・食品加工生産物が国際競争力を持つ理由である。
ポーランドは2002年のEU正式加盟を控え、農業問題でEUの共通農業政策との調整を迫られているが、粘り強い交渉を通じて合意に達することができると思われる。一方、ここ数年旧ソ連市場への農産物輸出が増加しており、長期的には東との貿易拡大が見込まれる。主な輸出品目は、果物ジュース、ソフトドリンク、アルコール飲料、食肉・肉加工品、バター、菓子類である。
(田口雅弘)

データ加工: 梅田芳穂、横田武重 (1999.01.31)
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