ポーランド外国投資公社(PAIZ)

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銀行・証券


銀行セクター改革

 ポーランドの銀行セクターはめざましく発展しており、経済におけるその役割はますます高まっている。ポーランドでは現在70行以上の国内銀行・外資系銀行が営業している。また、協同組合銀行は約1500行営業している。1990年代に入って、国内の主要銀行は国際金融機関、西側金融機関の支援を受け、銀行業務システムの近代化や新しい金融商品の開発に積極的に取り組んできた。外資系銀行のポーランド市場進出も活発化してきている。現在、22行の外資系商業銀行がポーランドで活動しており、商業銀行の総資産全体に占める外資の比率は20%弱となっている。
 近年、銀行業への国内業者新規参入の波は一段落し、むしろ欧州連合(EU)への正式加盟を視野に入れた銀行の統合が新しい波になっている。

 ポーランドには、ワルシャワ貿易銀行やポーランド援助銀行のように両大戦間期から国際的信頼を受けてきた伝統ある銀行、ポーランド開発銀行のように体制転換に伴って設立された若い銀行、また、旧体制時代から約400の支店・出張所を持つ国民の生活に密着した一般貯蓄銀行(国立銀行)、農村にあって日本の農林系金融機関のような役割を果たしてきた協同組合銀行など、多彩な銀行がある。
 1989年以降は、ポーランド国立銀行(NBP)の独占体制が解体され、ポーランド国立銀行は中央銀行としての本来の姿に戻った。一方、全国に約400あったポーランド国立銀行の支店は、ポーランドの金融界をリードする9行の商業銀行として再出発した。懸案だった協同組合銀行のリストラも一段落し、新しいポーランドの銀行システムの骨格がしだいに固まりつつある。

 1990年代前半は銀行制度構築の時期で、旧体制時代から引き継いだ国営企業不良債権の回収・処理、ルールを巡る論争、一部銀行の倒産など、多くの問題を抱えていた。1990年代中葉になって銀行制度の整備がおおむね終了し、銀行セクターが安定するとともに、国民経済におけるその役割は一段と増大した。とくに、銀行の企業への資本参加が容易になったため、銀行が企業リストラや国家投資基金などにおいて戦略的投資家として重要な役割を果たすようになった。

 ポーランドの銀行にとって、中期的課題はEU正式加盟を視野に入れた経営戦略の確率である。現在、EUは現在通貨統合に向かって秒読み段階に入っており、統合が達成されれば、単一通貨「ユーロ」は米ドルに並ぶ二大基軸通貨になるであろう。ポーランドがその一翼を担うには、今後さらなる銀行の再編が必要で、すでにいくつかの大手行統合案が議論されている。この再編・統合と銀行制度のEUスタンダード化がさらに進めば、ポーランド銀行セクターの安全性と信頼性はさらに高まるであろう。

証券市場の発展

 ポーランドの証券市場は中欧最大規模で、経済のダイナミックな成長とともに、急速な発展を続けている。ワルシャワ証券取引所(WSE)が1991年4月16日に開設され以来、開設当時5社だった上場企業は、1997年には70社以上に増加した。現在、一日の出来高は1億5,000万ズウォティ〜2億ズウォティ(約5,000万〜7,000万ドル)にのぼっている。1994年には、ワルシャワ証券取引所は中欧で最初の国際証券取引所連盟(FIBV)正会員になった。

 ワルシャワ証券取引所開設から1993年第1四半期まで、開設時の株価を1,000ポイントとしたワルシャワ証券取引所株価指数(WIG)はほとんど変わらなかった。ようやく1993年3月を境に株価は急上昇し、1年後の1994年3月にはWIGが20,000ポイントを記録した。しかし、その後大きく反落し、1995年3月には6,000ポイントまで下げた。それ以降株価は比較的安定的に上昇し、1997年5月には17,000ポイントに達している。現在は、国家投資基金(NIF)の上場をうけて、証券市場は活況を呈している。1997年にはさらに、大手銀行や保険会社の上場が予定されている。

 ワルシャワ証券取引所は、外国人投資家にポーランド人と全く同じ条件で取引に参加する権利を認めている。また、外国企業はワルシャワ証券取引所に上場することができる。さらに、ポーランドで会社登録を済ませた外国企業は、証券委員会の許可を得て、証券会社を設立することもできる。なお、外国投資家の利益は100%本国送金できる。

(田口雅弘)








追記: 現在、ワルシャワ証券取引所に上場されているのは150社以上。PeKaO SAやBank Handlowyをはじめとし、保険会社や国家投資基金など続々と上場。(1998.10.27)




ポーランドの大手銀行



 
 総資産(1996.3.31)
(百万ズウォティ)
一般貯蓄銀行 − 国立銀行(Powszechna Kasa Oszczednosci - Bank Panstwowy: PKO BP)
 *全国に展開する個人預金中心の銀行で、前身は郵貯。住宅建設などに融資。
30703.34
ポーランド援助銀行(Polska Kasa Opieki S.A.: PeKaO S.A.)
 *外貨預金やポーランド系外国人との取引を主に扱う銀行。
20006.59
食糧経済銀行(Bank Gospodarki Zywnosciowej: BGZ)
 *農業への融資を中心とした全国貯蓄・貸付協同組合系銀行の上に   立つ銀行。
9380.70
ワルシャワ貿易銀行(Bank Handlowy w Warszawie S.A.: BH)
 *外国との取引を中心とした銀行
9331.57
ポーランド投資銀行(Polski Bank Inwestycyjny S.A.: PBI)3832.29
輸出振興銀行(Bank Rozwoju Eksportu S.A.: BRE)2648.11
経済振興銀行(Bank Inicjatyw Gospodarczych S.A.: BIG)2291.88
ポーランド開発銀行(Polski Bank Rozwoju S.A.: PBR)1304.10
以下、ポーランド国立銀行より商業銀行として独立した、いわゆる「9行」
一般産業銀行(Powszechny Bank Gospodarczy S.A. w Lodzi: PBG)
 *中部地方を中心に営業を行う商業銀行。
8785.28
シロンスク銀行(Bank Slaski w Katowicach S.A.: BSK)
 *南部地方を中心に営業を行う商業銀行。
7849.37
一般信用銀行(Powszechny Bank Kedytowy S.A. w Warszawie: PBK)
 *東部・北部地方を中心に営業を行う商業銀行。
7630.83
商工業銀行(Bank Przemyslowo-Handlowy S.A. w Krakowie: BPH)
 *南部地方を中心に東部、西部にも展開する商業銀行。
6990.43
ヴィエルコポルスカ信用銀行(Wielkopolski Bank Kredytowy S.A. w Poznaniu: WBK)
 *中・西部地方を中心に営業を行う商業銀行。
4519.80
グダンズク銀行(Bank Gdanski S.A. w Gdansku: BG)
 *北部地方を中心に営業を行う商業銀行。
4450.44
西部銀行(Bank Zachodni S.A. we Wroclawiu: BZ)
 *西部地方を中心に営業を行う商業銀行。
4182.81
ポモージェ信用銀行(Pomorski Bank Kredytowy w Szczecinie S.A.: PBKS)
 *北西部地方を中心に営業を行う商業銀行。
3249.64
貯蓄信用銀行(Bank Depozytowo-Kredytowy S.A. w Lublinie : BDK)
 *南東部地方を中心に営業を行う商業銀行。
3179.00



(作成: 田口雅弘)










データ加工: 梅田芳穂、横田武重 (1999.01.31)





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