ポーランド新首相に大統領の双子の兄、ヤロスワフ・カチンスキ氏
2006年7月10日、ポーランドのレフ・カチンスキ大統領は、双子の兄で与党「法と正義」のヤロスワフ・カチンスキ党首を新首相に指名した。続いてポーランド下院(定数460)は7月19日、ヤロスワフ・カチンスキを首班とする連立内閣に対し、賛成240、反対205の賛成多数で信任した。新首相はレフ・カチンスキ大統領の双子の兄で、ポーランドはほくろを除いてはそっくりの双子兄弟が大統領と首相を務めることとなった。
昨年秋の総選挙以降、第1党の「法と正義」は、総選挙で連立を約束した市民プラットフォームではなく、第3党で反EUを唱える極右政党「自衛」、および第5党で保守系の「家族同盟」と連立を組んだ。また、大統領にレフ・カチンスキ氏が当選したため、双子の兄で「法と正義」の党首であるヤロスワフ・カチンスキ氏は、「双子で国家権力を独占」との批判を避け、腹心の部下だったマルチンキエビッチ氏を首相に据えていた。しかし意外にもマルチンキエビッチ首相の人気が上がり、ヤロスワフ・カチンスキ党首との軋轢が高まって、今回の解任劇に至った。依然人気のあるマルチンキエビッチ前首相は、秋の地方選でワルシャワ市長に立候補する可能性が高いと見られている。
カチンスキ新首相は、米国との強固な関係の継続、高速道路・住宅などの社会インフラ充実、イラク派遣部隊の駐留延長などを明らかにしている。一方では、欧州連合(EU)に関しては懐疑的と見られる。欧州単一通貨ユーロの導入に関しても積極的ではない。また、保守派としてカトリック的価値を強く打ち出している。内政面では財政改革に引き続き努力するとしているが、失業問題などあしもとの経済問題解決を優先する意向も示している。そして、緊縮財政を継続する中でどのような解決策が可能なのかは具体的には示していない。
最近の世論調査では、6割以上の国民がカチンスキ兄弟の大統領・首相独占に否定的で、また対外的にも評判が良くない。「法と正義」は、世論調査では人気を落としている。
(2006.07.20)
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