教育改革: 9月1日より新制度でスタート

クラコフの小学校の終業式風景(撮影: わんちょさん クラクフ在住 1999.06.25)
今年始まった教育改革により、秋の新学期より「8(小学校)+4(高校)」制にかわって「6(小学校)+3(中学校)+3(高校)」制がスタートする。
新制度の概要は次のとおりである(制度の日本語訳は仮訳):
- 幼稚園(Przedszkole)は3歳から受け入れ、6歳はいわゆる「ゼロ年」(Zerowka)ですべての幼児が入園する(従来どおり)。
- 小学校(Szkola podstawowa)は6年制。過渡期的措置あり。
- いわゆる中学校はギムナジウム(Gimunajium)と呼ばれる。過渡期的措置あり。
- 新制度の高等学校(Liceum profilowane)は、新制度の中学生が中学を卒業する3年後から発足する。卒業試験を受けて高校卒業資格(Matura)を取得する。
- 新制度の職業高校(Szkola zawodowa)は、新制度の中学生が中学を卒業する3年後から発足する。
- 大学はいくつかのコースに分かれ、従来どおり修士を取得して卒業するMagisterskieは5年だが、その他に3年コースのLicencjat、Zawodowe(Licencjat)、Kolegiaがある。
- 職業高校卒業後、2年間の補習科(Liceum uzupelniajace)を出ると、高校卒業試験を受けて高校卒業資格(Matura)を取得することができる。
- 高校卒業後、各種専門学校(Szkoly policealne)に進むことができる。
- 3年コースのLicencjat、Zawodowe(Licencjat)を卒業した後、補習科(Uzupelniajace magisterskie)を履修して修士論文を書き、修士号を取得することができる。
- 修士取得後、博士課程(Doktorat)に進学することができる。
この改革は、社会主義時代から続いていたソ連型の教育制度を抜本的に改革するもので、同時に学校の統廃合も進められる。小学校を8年生から6年生にすることによって、これまでより2年早く、より専門性の高いカリキュラムに移行することができる。また、これまで一部の大学に進学する予定の生徒だけが普通高校に通い、多くの生徒が小学校卒業後、職業学校で職業教育を受けていたが、新たな制度の導入により、より多くの生徒が普通高校で教育を受けられるようになる。これにより、大学進学率の上昇、高校卒業後の専門学校教育の高度化を目指す。これは、より多くの高度専門知識を持った労働者を必要とする新しい時代の要請に応えるものである。
しかし、大半の国民・教師が現在の教育制度に満足していないものの、教育改革が充分国民の間で協議されずに急速に推し進められ、充分な予算措置がなされていないことから、国民・教師の不満、反発は大きい。特に当面の課題は、旧制度と新制度の過渡期にはまってしまった生徒の救済問題、新しい教科書の作成と入手にかかる問題、学校の統廃合による通学の問題、教師の労働条件・給与低下の問題などである。この改革によってポーランドの教育が目覚しく改善されると期待する国民が非常に少ない中での出発だが、政府はこれまでの制度をを早く改善することが重要と、強い姿勢で改革に取り組んでいる。

(注)就学率は、国民教育省の推定をもとに作成した。表では制度の一部を省略してある。
(出所)田口作成。

教育改革はこの子達に明るい未来を保障できるだろうか?
(1999.08.31)

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