留学体験記


COPYRIGHT 1997 by Masahiro Taguchi & Megumi Yagi, Japanese Club in Warsaw



ポーランド留学日記



榊原契保   



 ショパンの国ポーランド、こんなあこがれだったものがまさか現実のものになるとは、2年前までは考えてもみなかった。ところが大学を卒業して、ポーランドで勉強したいと思ったときに日ポ協会の人たちとも知り合うことができて、何か新しいことをやろうと思った時には必ず誰かが助けてくれて、そこから新しい視野が広がっていって、気がついたら願いがかなえられていて、人間思いきってとびだす勇気をもっていれば何とかなるんだなとこの時思ったものだ。
 僕にとつて初めての外国。最初にポーランドに来て思ったことは、ポーランド人も日本人と同じで十人十色、色んな人がいるんだなぁということでした。当たり前のことだと言われるかもしれないけれど、外からポーランドを見ているのと実際中に入って生活してみた時のギャップのようなものを感じました。逆にポーランド人にとっても外から見た日本の印象というものがあるようで、来てまもなくの頃こっちでできた友達に、日本人ってまじめで気難しいかと思っていたらお前は何でそんなに笑ってばかりいるんだと言われたことがある・・・・外を歩いていると浴びせられる皆からの視線や(最初は少しこわかった)道でいきなり中国語の新聞の切り抜きを出してきて「これ何って書いてあるの?」ってきかれたり、犬が飼い主を連れずに一匹で散歩して家に帰っていった光景も見かけたし、あとは何といっても春のおとずれには感動しました。寒い冬がおわって木々に緑がつきだして本当に日に日に景色が変わっていく感じで、一週間もたつと同じ場所が違う場所のようになって迷ってしまいそうになるほどでした。
 2年目の今もつたないポーランド語をしゃべっている僕にとって、言葉がわからなくても伝わる部分があるとはいえ思っていることが伝えられないというのはどこかでストレスになっているようで、実際この夏日本に一時帰国した時に感じたことで言葉が全て通じて話ができることが気分転換になったし、言葉って大切だなぁと改めて思わされました。他にもこの休暇でポーランドでの1年目をふり返ることができたし、2年目に対する心構えもできたし、何よりも悩みをかかえながらそれでもがん張っている友達の姿を見て刺激をうけることができて、留学生活たまには日本に帰ってみるのもいいなと思いました。
 こっちにきて全てが自分の時間になって(それが学生の特権だと思う)、夜なかなか眠れない時や朝なかなかおきれない時(これはちょっと問題か)など、物事を考えることが多くなったように思う。人生いつもその時その時今できること、今しかできないことがあって(人生を語れるほど生きてないのに生意気いうようですが)それをすることで自分自身が納得できているか、そこから自分らしさが生まれてくるんだと思います。けれどもいつも世の中順風が吹いているわけではなく、思うようにいかなかったりくじけそうになったりもするけれど、自分の中に目標をもち続けることができたら「望むものには道がひらける」で必ず達成することができると思うし、じっと耐えることも必要なことで人間勇気と忍耐!最近そんなことを考えてます。  ここまで音楽に関してふれなかったけれども僕にとっては一番の目的であって、演奏会をききにいったりレッスンの聴講にいったりとこっちでの限られた時間を少しどん欲になりながら過ごしています。
 ここまで思いつくままに書いてきたけれど、この先新しいページに何がまちうけているのか期待と不安の両方をかかえながら毎日を送っています。

関西版『WISLA』第16号 1997年4月3日号より