ポーランド料理


工藤久代さんの「作ってみませんか ポーランド料理」


じゃがいものプラツキ(Placki ziemniaczane)


 ポーランドの食事とじゃがいもは切っても切れない関係にあります。今回はそのじゃがいもを使った料理「じゃがいものプラツキ (placki ziemniaczane)」です。工藤久代さんにとって、「30年くらい前、滞日中のポーランド人の方に教わった、なつかしい初めてのポーランド料理」でもあります。

材料
じゃがいも(皮をむいた状態で) 400g、たまねぎのすりおろし 大さじ1、とき卵 4分の1個、小麦粉 大さじ1

作り方

  1. じゃがいもは皮をむいたらしばらく水にさらし、目の粗いおろしがねですりおろす。手ばやくすること。そこへたまねぎのすりおろしととき卵、小麦粉を加えてまぜる。
  2. サラダ油大さじ2〜3をフライパンに熱し、そこへ1の半量を入れてならし、中火でフタをして1分弱焼く。下側にこげめがついたくらいの時に、へらでひっくり返す。じゃがいもがこげついて、ホットケーキのようにうまくひっくり返らないときは、火を弱め、こげつきをへらではがしながら何度か適当に裏返して、全体に火が通ってす きとおった感じになるまで焼く。
  3. フライパンをきれいにし、残りの半量も同様に焼く。
  4. 皿にとり、必要なら切り分けるなりして、塩をつけながらいただく.ガーリッアソルトがあれば、その方が実味しい。


 プラツキには辞書でみるとパンケーキの訳語があてられていますが、この料理はパンケーキという語感とは逢ったものになります。形もしっかりまとまるわけでなく、ちょっと半づきのおもちに似た舌ざわりの、べたっとした・・・。でもじゃがいもそのものの味わいがあり、とくにおこげが実味しいんですよ。レマルクの「西部戦線異常なし」(秦豊吉・訳)に“じゃがいものパンケーキ”、クルチコフスキの戯曲「自由の最初の日」(中本信幸・訳)に“じゃがいものホットケーキ”として出てくるのは、このプラツキです。
 初めて教えて下さったポーランドの方が、「ポーランドのいちばん原始的なお料理」とおっしゃっていたんですが、本来は農村の料理で、卵とか小麦粉は入れず、じゃがいもとたまねぎだけ、好みでにんにくのすりおろしを入れて焼くものだそうです。
 私がポーランドにいた頃−10年以上前ですが−、ワルシャワに1軒だけ、道端のテラスでじゃがいものプラツキを焼きながら売っているレストランがありました。マルシャウコフスカ通りの「上海飯店」の隣の店でしたが、そこのプラツキは卵・牛乳・小麦粉をまぜた、もう少しふわふわとしたもので、お砂糖をかけて食べていました。 今でもやっているでしょうか。
 砂糖をまぷすのはおすすめしませんが、ポーランドの料理の本にはニシンのサラダオイルづけとか、きのこのソース、サラダなどととりあわせるとよいと書いてあります。酒のさかなに、夜食にまた鉄板焼きの一品に加えてもよいと思います。
 テフロン加工のフライパンやホットプレートをお持ちの方は、それを使って下さい。油が少量ですみ、こげつかないので形がきれいにできてとても便利です。



(挿し絵: 武井摩利)


(工藤久代 『ポーランド月報』第38号、1985年5月号より)



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