ポーランド料理


工藤久代さんの「作ってみませんか ポーランド料理」


コーンドタン


  

 早いものでもう年の暮れ。お正目を迎える準備は進んでいますか? 最近の日本は正月 でも開いている店もあり、出来あいの保存食もたくさん売られているしで、あまり家庭で 保存食を作ることもなくなりましたが、ポーランドでは違います。厳しい冬を控え、店が 閉まるクリスマス休暇をにらみながら、10月初めごろから冬ごもりの準備にかかります。 ハムや塩漬け肉の仕込み、サワークラウト(1年前のこの欄で紹介しました)作り、など など。さて、今月のお料理ですが、本当は前号で「お正月用に」と紹介したかったのです が休載になってしまったコーンドタン(牛の舌の塩漬け)と、全粒小麦粉を発酵させたス ープ「ジューレック zurek」です。

材料
皮つきのタン(牛の舌) 1本、 水 タンの重さと同量(タンが1.5kgなら1500cc)、塩 タンの重さの5%(タンが1.5kgなら75g)、 月桂樹1枚、粒コショウ適宜、好みで赤トウガラシ

作り方

  1. 水、塩、月桂樹、粒コショウ、トウガラシを 大なべに入れ、3分ほど煮立たせ、さます。
  2. タンをよく水洗いする。舌のザラザラの部分 はタワシでこすって洗う。
  3. タン全体に金グシをまんべんなく刺す(深く までよく突き込む)。大さじ1杯の塩をまぷしても みこむ。塩がなじんで柔かめになったら、ザルに おいてl時間ほど水気を切る。これである程度血 抜きされる。
  4. 大きなポールなどに1のさめた塩水を入れ、 そこに3のタンを入れる。2〜3枚のお皿を重し にして、ラップをかけ、ベランダの日の当たらな い所など、寒い場所に置く。もし冷蔵庫に空きが あれば、そこへ入れる。
  5. 1週間くらいそのまま置く。血がにじみ出て 汁が茶色になるが大丈夫。その後、取り出して充 分に水洗いする。うす味が好みなら塩出しを1時 間ほどしてもよい。
  6. 大なべにたっぷりの水を入れ、洗ったタンを ゆっくり3時間ほどゆでる。このとき、ニンジン、 玉ネギ、くず野菜なども一緒に煮ておくと、あと でゆで汁をスープストックとして利用できる。
  7. 芯まで柔らかくなったら取り出し、熱いうち に皮をむく。


 このコーンドタン、うす切りして幸子をつけて 前菜風に食べてもよし、カレーやシチューに肉が わりに入れることもできます。冷蔵庫に入れれば 1週間はもちますし、適当な大きさに切って冷凍 保存ができます。タンは脂肪が少なく、柔らかく、 実味しく、おまけに牛肉よりずっと安いとなれば、 これを利用しない法はありません。ただ、日本で は丸ごと1本のタンを売っているお店が少ないの ですね。私は品川の東京新聞裏にある卸売店「カ ネカ畜産」(電話03−472−1116)へ買いに行きま す。
 ポーランド人はさすが肉食民族、タンだけでな く内臓料理の種類も豊富です。内臓といえば、最 近来日したポーランド人の友人から聞いた話をひ とつ。よく新聞などに、肉屋の店先の行列の写真 が出ていますね。でも、今ワルシャワでは食肉配 給券を持っていけばほとんど並ばずに普通の肉は 買えるんだそうです。ではなぜ行列ができるかと いえば、安くて配給券なしで買える内臓のため。 お金のあまりない人たちが朝早くから並ぷとのこ とです。



(挿し絵: 武井摩利)


(工藤久代 『ポーランド月報』第46/47号、1986年1-2月号より)



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