ポーランド料理


工藤久代さんの「作ってみませんか ポーランド料理」


豚足のガラレッタ(Zimne nogi)


  

 今回は豚足のガラレッタ、ポーランド語ではジムネ・ノギ(zimne nogi)“冷たい足”というお料理です。といっても豚の足がそのままの形で食卓に出るわけではありません。こまかくきざんでしまいますから、言わない限り豚足と気付く人はいますまい。くさみを消すためにスパイスを入れ、煮こごりで固めた素朴な味です。

材料
豚足 2本(約7009)、塩 大さじ2、固形スープ 1個、スパイス類 粒コショウ 5粒、にんにく 小1片、マージョラン 小さじ2、赤トウガラシ 丸のまま1本、月桂樹の葉 2枚、にんじん 5cm位

作り方

  1. 作り方
  2. 豚足を洗ってなべに入れ、たっぷりの水を加 えて火にかける。沸騰したらアクをすくい、とろ火 にして2時間ほど煮る。
  3. にんにくはみじん切り、色どりのにんじんも 紳かく刻む(1cm幅の千六本切りにするなど)。
  4. 1.の肉がくずれるほど柔らかくなったら、足 を取り出して骨を除き、小さく刻む。
  5. 3.の肉をなべに戻し、塩、固形スープ、スパ イス類とにんじんを加えて、煮つめる感じで約30 分煮る。火をとめたら月桂樹の葉とトウガラシを 取り除く。
  6. 4.をバットなどの容器に入れて冷ますと、固 まって出来上がり。室温で固まるが、急ぐときは 冷蔵庫に入れる。油がたくさん浮いていたら、固 まってからナイフなどでこそげ取る。
  7. さかさにあけ、食べやすい大きさで厚さ5mm 位に切り、お皿に並べる。ホースラディッシュ (西洋わさび)のすりおろしをつけていただく。 なければレモン汁でも良い。


 元来が肉食民族のポーランド人は、豚でも牛で もすみずみまで利用します。今回のガラレッタも そのひとつと言えるでしょう。ここでは豚の足の をご紹介しましたが、豚の頭なんかでも作れるん ですよ。自然のゼラチンを利用した料理で、カロ リーが少なく、黒パンやソーセージと一緒に朝食 や夕食に食べるとのことです。ポーランドでは午 後2時ごろからとる昼食(オビアド)が正餐で、 夜の食事は軽いのがふつうです。「夜に脂肪や肉 のような高カロリーの食事をとると体に悪い」と 言われているんですね。
 でも、今のポーランドでは肝腎の豚の足に滅多 にお目にかかれない。久しぷりでポーランドを訪 れた日本の方が、ガラレッタの味をなつかしんで ホテルで注文したら、ないと言われたという話も 聞きました。安価なので、国営工場や学校、孤児 院、養老院などの食堂へ優先約に納品されるため だそうです。それもあってか若い人でこの料理を 作る人も少なく、失われゆくおふくろの味になり つつあるとか−−−さぴしい限りですね。



(挿し絵: 武井摩利)


(工藤久代 『ポーランド月報』第48号、1986年3月号より)



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