ポーランド料理


工藤久代さんの「作ってみませんか ポーランド料理」


フラチキ(Flaczki)


 秋になるとあたたかいスープが恋しくなるも の。今月は、ポーランド独得のモツ料理である 「フラチキ Flaczki」をご紹介します。 出来あがりは、モツと野菜入りの実だくさん のスープといった感じ。ここでは豚の白モツ を使いましたが、牛のモツがあればその方が 良いとのことです。

材料
豚の白モツ 約500g、しょうが、にんにく 各1片、
 <スープストック> 鶏ガラ1羽又はくず肉適宜、にんじん中1本、玉ネギ半個、セロリ1本、他に手近な くず野菜(長ネギの葉やパセリの茎など)、月桂樹の葉1枚、粒こしょう5〜6粒、固形スープ3個

作り方
  1. スープストックを作る。スープ材料のうち玉 ネギと固形スープ以外を2g位の水とともになべ に入れ、火にかける。玉ネギは網の上で中火で焼 き、こげた外皮をスープのなべに入れ、残りはこ げめがつく位まで焼いてまるごとなべに入れる (スープのあくを取るため)。煮立ってきたら火 を弱め、あくをすくいながら1時間ほど煮て、最 後に固形スープで味を整える。にんじん、セロリ の茎、玉ネギ(こげていない所)をひきあげて取 っておき、スープの方はこす。
  2. 熱湯をわかした中にモツを入れ、再度沸騰し たらかきまぜてすぐザルにあげ、水洗いする。こ れを2度繰り返し、モツの臭みと油を抜く。その 後、粗めのせん切りにきぎむ。
  3. 1.で取っておいたにんじんなどの野菜を細かく きざみ、2.のモツとともにスープに入れ、しょうが のせん切りとつぷしたにんにくも加えて、弱めの 中火で2〜3時間コトコトと煮る。途中、浮いてくる あくをとる。スープのにごりが消えてきたら味をみて、 好みに応じて塩味をつける。仕上げに乾燥マージョラン を大さじ1杯入れて少し煮ると良い香りがつく。 ポーランドでは水どき片栗粉でとろみをつけるが、工藤式は入れない。
  4. 器によそって出すとき、しょうが汁をほんの 少したらす。黒パンと一緒に出すと良い。

工藤久代さんのひとこと
 フラチキはポーランドでは結婚式の後の宴など お祝い事の時に欠かせない料理。私もワルシャワ で長男が結婚した時、10キロのモツで大鍋2つぶ んのフラチキを作りました。とはいっても別に改 まった料理ではなく、普段もよく食べます。フラ チキのポイントは何といっても臭みを消すしょう がですが、第2次大戦前はポーランドで売られて いたしょうがが社会主義になってなくなってしま い、おかげで美味しいフラチキも食べられなくな った、とポーランド人は嘆いていました。

【豆知識】ヴウォシチズナ
 ポーランドでは、スープをとるとききまって入 れる香りづけの野菜束があり、ヴウォシチズナと 呼ばれます。葉つきにんじん1本、ポールねぎ(ポ アロー、リーキともいう)半分、根セロリ8分の 1、ペトルーシュカ(図参照)1本をひもでくく ったものです。ヴウォシチズナとは「イタリア文 化、イタリア風」の意味。国王ジグムントT世ス タールィ(在位1506〜1548)がイタリアから妃を 迎えた時、多数のイタリア人とともに様々な野菜 もポーランドにやって来ました。古くはこうした イタリア経由で到来した野菜の総称がヴウォシチ ズナでしたが、今は上記の4種をしばったものの 名になっています。 



(挿し絵: 武井摩利)


(工藤久代 『ポーランド月報』第43号、1985年10月より)



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