2006年冬季オリンピックにザコパネが立候補
2002年のオリンピック冬季大会は、米国のソルトレイクシティで開催されるが、その次の開催地はまだ決まっていない。現在立候補しているのは、トリノ(イタリア)、シオン(スイス)、クラーゲンフルト(オーストリア)、ヘルシンキ+リレハンメル(フィンランド/ノルウェー)、ポプラト(スロヴァキア)、ザコパネ(ポーランド)の6都市である。すでにこの6都市の中から選ぶことが決められており、11月1日からはIOCの代表がザコパネを視察した。代表団は来年はじめまでに視察報告をまとめ、1999年6月19日にソウルで開かれるIOC総会で最終的に2002年のオリンピック冬季大会の開催地が決定される。
ザコパネが開催地に選ばれる可能性はあまり高くない。初めて立候補してそのまま開催地に選ばれるケースはまれで、積極的に誘致活動を続けていけば2010年(ただし2回続けてヨーロッパで開催される可能性は低い)か2014年をあたりで有力候補となる可能性はある。
ザコパネ開催のハードルはいくつかある。まず、開催費用の負担が大きいことである。冬季オリンピックをはじめとして、一般的に世界的なスポーツ大
会は、回を追うごとに組織、施設の面で充実してきており、逆に開催費は膨大な額になってきている。シドニーオリンピックからはデジタル中継放送が本格化しそうで、技術的な水準も要求される。これをひとつの都市で支えることができる豊かな国は次第に限られたものとなってきている。一方で、冬季オリンピックは、夏のオリンピックやサッカー・ワールドカップなどと比較して全世界の視聴者は少なく、スポンサーを確保するのも容易ではない。今後は、国境を挟んだ数都市が共同で開催するということもあり得るだろう。ザコパネの場合は、タトリ山地の南側にスロバキアのポプラト(Poprad)があるが、新生国スロバキアはオリンピック委員会ができたばかりで、組織的にも財政的にも脆弱で、共同開催は難しいといわざるを得ない。次に、組織力の問題がある。長野オリンピックの経験からも、競技施設の準備はもとより、宿泊、輸送、その他の組織に関する準備は想像以上の苦労がある。十万人がザコパネに押し寄せてもスムーズに大会が進行できる条件をどのように作っていくのかが課題である。一部の競技はノーヴィ・タルグやクラクフでの開催も考えられているようだ。また、環境保護団体が、ザコパネ開催に強く反対している。開発と環境保護の両立は長野でもソルトレイクシティでも大きな問題であるが、ザコパネもこの問題は避けて通れない。さらに、大会後のオリンピック施設利用計画も、事前に詰めて議論しておく必要がある。オリンピック開催後、競技のために建てた施設を採算がとれるように運営するめどがあるかということは、行政当局の理解を得る重要なポイントである。たとえば、ボブスレーのコースを建設し維持するのは莫大な費用がかかるが、それを大会後残しても一般客が利用することはまずない。1万人以上を収容できるスケートリンクをザコパネがどう維持(または利用)していくかという問題もあり、こうした問題を含めてザコパネの町をどのように発展させていくのか綿密に計算する必要がある。
(1998.11.5)
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